パリでデモが暴徒化!とか言われるけど、昨日の「Gilets jaunes」をパリ在住の日本人から見て

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12月8日に行われた4回目のデモもけっこう大規模。

ただ、日本の報道と、現地で暮らす僕が感じることはちょっと違うので少しお伝えします。

前回のデモと、起きている理由についてはこちらに。

12月1日のまとめ

ざっくり過ぎるジレ・ジョーヌの説明は

地方で暮らす人々が中心となり、自分たちを無視した政治に対して立ち上がった行動

という感じでしょうか。

(まったく言葉が足りませんが、詳しくは先日の記事に書いてます)

12月8日のジレ・ジョーヌ

マクロン大統領も燃料税の値上げを2019年は凍結する、などの発表をしましたが

「それでは解決になってない。大統領の退陣を求める!」

等の声が収まらず、8日もけっこうな惨状に。

ただ、今回はフランス政府もけっこう先手を打ってきました。

12月8日のデモ

こちらは前日に発表された交通局の情報をもとにマッピングした地図。

青い稲妻は閉鎖したメトロの駅、オレンジも閉鎖するかも、という事前情報でした。

丸い部分は集会が予想されるので避けろと言われたエリアです。

 

朝からの交通封鎖のおかげで、僕の住むエリアはとても静かでした。

ケーキを買いに行ったら、警察官が入ってきて驚きましたが、ケーキを買っただけ(笑)

7区ではケーキを買う警官も(笑)

居合わせたおばちゃんは「今日は車が少なくっていいわね」と(笑)

友人も移動には困ったけど静かだったね…と言ってました。

 

フランスが長い@ulalaさんもこんなことを言ってます。

(旅行に来る方はぜひフォローされると安心)


そうなのです、この日のデモは逮捕者数こそ多いものの、前回よりは規模が小さかった模様。

フランス全土で逮捕者が1400名、参加者は12万5千人と報じられています。

 

デモの一部が暴徒化しているので、9万人弱の警官も出動。

パリ市内にはこんな装甲車も配備されました。

https://www.lejdd.fr/

大活躍していたみたいですね、火の中にも突っ込めるから

あっという間に制圧しています。

デモに参加しない一般市民にとって、この厳戒態勢は助かりました。

フランスの市民感情

8日のデモでは、パリ・マルセイユ・トゥールーズ・ボルドー(上の動画)など

大都市での被害がが大きかったです。

それぞれの位置を見てから、ジレ・ジョーヌに対する支持率分布を見てみましょう。

青い線はTGVです。

支持している人の分布が下の地図。

https://france3-regions.francetvinfo.fr

IDF(パリ)をはじめ、4地域のうち3地域は黄色、トゥールーズは赤エリアですが

最も濃い紅色の部分では大きな騒ぎになっていません。

 

フランスの人口統計学の専門家が紅色のエリアを

「diagonale du vide」空洞の対角線、と名付けています。

下のツイートに描かれた赤い線に挟まれているエリアでは、

電車などの公共交通が廃止され、最寄りの公共サービスや店舗まで車で14分かかります。

 

先週お伝えした、自分たちのエリアが国から見捨てられていると感じているエリアですね。

このようなエリアでは、今もお祭りのようなデモが行われており

高速道路の料金支払い所を閉鎖して、燃料代の分、高速代を取り戻そう!というかのような

和やかな雰囲気です。

ジレ・ジョーヌに対する国民感情

フランス国民の84%がジレ・ジョーヌを支持するとも伝えられていますが、

反面、7割の人が暴力行為をする行為には反対しています。

 

フランス全土でデモに参加する人は

11月17日に30万人、24日に20万人、12月1日に10万人、今回も10万人と減少傾向。

 

ニュースを見ていても、カッスール「破壊屋」という単語が頻出しており

今回のデモに関しては、ジレ・ジョーヌというよりも、暴動に近いという反応も多いです。

 

あるニュースでは、便乗強盗を撃退した宝石店の店主も話題になりました。


このように暴徒化したジレ・ジョーヌに対しては批判的・暴徒扱いする市民も増えており

フランスでは新しい団体「赤いスカーフ」が誕生しました。

彼らは暴力を止め、対話をするように求めています。

 

政治を正すべく立ち上がったはずが、正される側になったのでしょうか…

https://www.laprovence.com

いま、ジレ・ジョーヌを支持しているのは誰?

こちらはフランス全体の所得の偏りを色づけした地図(2011年)。

青が豊かで、赤が貧しいエリアです。

2011年 https://www.r-bloggers.com

貧しい世帯の分布と、ジレ・ジョーヌ支持率の分布は重なります。

https://france3-regions.francetvinfo.fr

それに対して、暴動が多かったエリア

パリ・ボルドー・マルセイユなどの場所とのずれが分かります。

むしろ、デモがひどかったエリアと似た分布はこちらかもしれません。

急進的政治を好む人たちの分布図です。

国民からも支持されないデモってなんなのでしょう…

こちらはフランス政府からのツイートも。

「デモをする権利はあるが、ものを壊すな」

正論すぎて返す言葉がないです…

マクロンさんの実績は?

確かに、マクロン大統領の支持率は落ちていますが、

彼になってから失業率が改善したり、と雇用の回復には一定の成果も。

失業率は就任後(2017年5月)に一度上がっているものの、ここ5年ではかなり低い数字。

 

富裕税の一部廃止など、失策もあると思いますが

彼が失脚したら自分たちの生活が良くなると考えるのは

ただ、怒りの矛先をわかりやすい対象に向けているでは?とも言われています。


source: tradingeconomics.com

パリは危険なの?

https://www.huffingtonpost.fr/

結局のところ、フランスは危険かどうか、が気になりますよね。

旅行に行けるのか、観光はできるのか?

 

ただの一市民が、大丈夫です!ダメです!とか言うことはできませんが、

地元の状況に気をつければ、危険は避けられるし

日本と同じように過ごしていたら危険、としか言えません。

フランスは、サッカーで優勝したら、街の交通機関が麻痺する国です。

毎年バスティーユデイにも道路の一部が閉鎖されます。

 

残念ながら、日本のような便利さはどこにもないし、僕の生活にも多少の影響がありました。

奥さまの帰国日をずらしたり、ホームパーティも中止しました。

でもね、それはたぶん、海外で暮らすならしょうがないことだと思います。

 

友達が来る予定だったら、僕がその子に伝えるアドバイスはこれだけ

 

「土曜はホテルにこもれるよう、金曜のうちに美味しいワインとチーズとバゲットを買って

一日部屋で飲んだくれましょう。そうそう、バナナとリンゴとトマトがあると安心だよね。

交通情報をチェックできるよう、このアプリだけ、入れといてね」

 

おすすめのアプリ

 

もし「安全だよ」なんて報道して、それを聞いて安心しちゃった人に何かあったら困りますが

みんなそんなに心配しないでも、ってフランスからは思ってます。

なぜジレジョーヌが始まってるか、どのように広がっているか

「gilets jaunes」について

マクロン大統領の提案(12/10)

マクロン大統領の譲歩案とジレジョーヌの反応について

デモのときはどこが危険なの?

パリで危険な場所|デモ・選挙のときのマップと注意点

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