映画「来る」の原作「ぼぎわんが、来る」はホラーだし、現代の夫婦間の怖い話

「来る」の原作「ぼぎわんが、来る」はいろんな意味で怖すぎる 読書

思い出すだけでも背筋がゾッとする話。

色んな意味で、というのはイクメンを名乗る男性にはさらに怖いエピソードが入っているからです。

作者の澤村さんはこれが一作目というのも恐ろしい。

怖さは主に三つ

①未知の霊的存在

②夫婦のあいだの相互不理解

③人が持つエゴイズム

この小説はホラー小説なので、①がまずわかりやすく怖いです。

奥さまから「とても面白かったよ」とすすめられて、寝る前に読み始めたら怖くて寝られなくなり、

(怖い話とは聞いていない)

最後まで読み終えましたが、読み終えても寒気が止みませんでした。

まずは、ネタバレしない程度で怖さをご紹介します。

google
google

ネタバレしない「ぼぎわんが、来る」の紹介

未知の霊的存在の怖い話

 

澤村さんは得体のしれないものを描くのがとても上手。

得体のしれないもの、なので形を描くというより、その存在を描きます。

 

その音、動き、そのモノがまとう雰囲気、声、その描き方がポイントを押さえていて

本当に怖いんですよね。

 

文字からどのように恐怖を感じるのか、どんな音の表現を恐れるのか、など

本当によく計算されているのでしょう。

夫婦のあいだの相互不理解の怖い話

イクメン、と言っている方や、普段家事をしない既婚者は読んだ方がいいです。

(外部に委託できている方を除く)

こんなご家庭にある怖い話が、ここにも出てくるんですよね。


色々な人の中に溜まっている不満や怒り、そしてそれに気づかない無神経さ。

それは人間として一番怖れるべきものの一つかもしれません。

人という生き物が持つ自己中さの怖い話

人は、「生きたい」と願うものです。

 

現代の日本では、多くの人は飢えに苦しむことなく生活できているけど

過去には自分自身だけしか救えず、そのために人を殺すしかなかった時期もあったと思います。

 

それは人間が持つ凶暴さや、生存本能だったりして

時に社会が暴走して、いわれなき殺戮が行われることもあったでしょう。

人間の歴史は、そうして殺してきた歴史の積み重ねでもあります。

 

ホラー小説ですが、読みながらそんなことまで考えました。

そしてここからは怖かったシーンの話などを少し。

ネタバレしちゃうので、本を読んでからの次のページがおすすめです。

本を読む

google

ここからはネタバレしちゃうので気をつけて

色んな恐ろしさが混じったストーリーが秀逸でした。

一番怖かったシーン

 

思い出しても怖いのは、電話で話していたのがボギワンだったシーンでしょうか。

あ、いくめんブログをしている秀樹への愚痴もゾッとしましたが(笑)

 

得体のしれないものが、正体を見せず迫ってきて、

気づいたら自分の頭がかじられている音が聞こえる…

あー、このレビューは日中書くべきでした、今も怖い(笑)

夫婦関係に潜む溝

 

そして二章の初めで「秀樹が死んで安心している」という部分もまた

自分しか見えない人間が描写されていて怖かったですね。

調子が悪い奥さんを「気遣ったふりをして」外で食べてきて、

奥さんがお腹空いたといったら「何か作れよ」というホラーって本当にあるんでしょうか。

 

Twitterでときどき「不妊治療は女性がするものだ」のような男性がいたツイートが燃えていますが

澤村さんはそのあたりもよく見ているのでしょうね。

そのうっぷん・我慢が溜まって旦那を殺す、というのは何んとも恐ろしい話でした。

人のエゴが作る恐怖と怨念

かつて子供が捨てられる山にある子宝温泉。

そこにいるぼぎわんは、人に育てられなかった人間なのかもしれません。

人に育てられなかった存在が、人と人の溝に入り込んで襲う。

 

亡くなった旦那の友達から好意を寄せられて、

その想いが通じないからと呪ってくるやつとか、本当に恐ろしいものです。

 

それは、報われない愛に怒るストーカーや

推しメンが結婚して引退するのにキレるファンにも通じるものがあります。

人はかくも恐ろしい生き物である、ぼぎわんのように。

google

本当におすすめではある、怖いけど

本当に怖い話であったとともに、

非常に哲学的な学びもある話で、読んでよかったなぁと思います。

 

ただ、できれば朝から読み始めて、暗くなる前に読み終えたかった。

ちょっとね、怖すぎです。

とっても面白いんだけど、本当に怖かった。

 

ここまで読んじゃったけど、やっぱり読んでみようという方はこちら

「来る」

ホラーが得意な人は、ちょっと似ているこの映画「IT」もおすすめです。

U-NEXTで肝試し