せっかくフランスに来たのでコルビジェの建築を見たいと思いません?近代建築の父、コルビジェの傑作がパリからの往復含めて、4時間あれば楽しめます。まさに「アレ」が見られるので行かない手はありません。
今日のスケジュール
15:30 サヴォア邸到着
(1階から屋上と庭を隅々まで探検して、閉館の5時まで滞在)
17:00 サヴォア邸出発(バス50番→Transilien J線)
※RER A線が運休になり、駅で20分電車を待つ(2路線来ているので運休に強い)
18:30 パリのサンラザール駅(オペラ座・ギャラリーラファイエット近く)に到着
パリ市内からサヴォア邸までの交通費・見学料
Auber→Poissy 5.2ユーロ
Poissy→サヴォア邸 1.49ユーロ(カルネ1枚)
サヴォア邸見学料 8ユーロ
帰りの交通費(1.49+5.2+1.49ユーロ)
サヴォア邸・コルビュジエって?
彼は近代建築の父、とも呼ばれてますよね。僕も大学で建築を勉強していましたが、美しいコンクリートの建築ができたのは、彼のおかげだと思います。新しい構造だからこそできる間取り、窓の大きさ、一階部分の建築を削ったことによる解放感、いま見ても古びない、住みたくなる家。
と、まぁ僕は留年した落ちこぼれなので、詳しい話は五十嵐太郎さんの監修したサヴォア邸の本とか、読んでください。建築と縁のない奥さまでも楽しめる世界遺産の住宅建築がサヴォア邸(1931年竣工)。美しい建築の写真と、パリからの行き方を説明します。
5枚の写真で近代建築5原則
コルビジェ先生が提唱した、アレ「Les 5 points d’une architecture nouvelle / 新しい建築における5つの要点」がこちらの5つ。太字はフランスのウィキペディアからのざっくり和訳。
1.ピロティ les pilotis
地上階が人が移動するためのオープンスペースになり、暗い湿った部分が減って、庭が建物の下を通り抜ける構造。家に入るまでに回り込む同線も素敵です、少し茶室みたい。
2.屋上庭園 le toit-terrasse
これまでの伝統的な屋根を放棄し、屋上テラスを設ける。ここにサンルームやグラウンド・プールなども作り健康的な生活ができる。ここは外からは見えないよう中庭にのみ、開かれた設計。
3自由な平面 le plan libre
鉄骨造または鉄筋コンクリート造の構造物から壁と構造壁を除いて、自由なスペースを作り出しました。それが可能にしたのがこの広いリビング。巨大な柱や分厚い壁の必要がないって、電話にコードが必要ないくらいの革命ですよね。
4水平連続窓 la fenêtre en bandeau
新しいドミノ構造という造りが、窓の幅を自由にしました。フランスは太陽に対するあこがれが強いんです。秋から冬の日が短くて、寒いので憂鬱になるんですよね、ほんとに春が待ち遠しい。これだけ窓が広いと少しマシかも知れません。すっごい日が入るし、窓の外は森だもの。
5自由な立面 la façade libre
ファサード(表面・外から見た外壁)は内部の構造とは関係なく、薄く自由な面を持つことができます。平面が自由なら、立面だって自由。シンプルにかっこいい。
サヴォア邸の美しいパーツ写真
サヴォア邸のかわいいお土産
パリからの行き方
パリ市内からサヴォア邸まではバスなど含めて片道1時間弱。RER A線とJ線との2線で行けるし、そんなに難しくないので電車で行くのがおすすめ。
凱旋門・オペラ・シャトレ・リヨン駅・ナシオンからRER A線(20分に一本)
けっこう本数が多いけど、A線は行き先がいろいろあるので、乗り間違えないように気をつけましょう。目的地のPoissy(ポワシー)行きに乗れば大丈夫。終点が目的地です。
出発駅はパリ市内に5駅
PoissyはZone5なので、パリ市内で使えるメトロの切符では足りません。メトロに乗るときにZone5までの切符を買いましょう。
サンラザールからJ線(30分に一本)
J線、パリの出発駅はSaint Lazare / サンラザール。電車はMANTES LA JOLIE行きに乗るのですが、同じ行き先なのにルートが違うという罠があるので要注意です。CitymapperやGoogleマップで電車を確認していきましょう。
Poissyは結構大きな駅なので、駅員さんに「ポワシー・セ・ウ?/ポワシーどこ?」って聞いたら、どの乗り場に来る電車か、すぐ教えてくれるはずです。
Poissy駅からのバス(10分に一本)
駅からはバスで行きました。歩くと20分くらい、行きは上り坂、帰りが下り坂なので、行きだけバスでも良いでしょう。このバスは、パリ市内のメトロで使ってる回数券が使えます、回数券持ってなかったら2ユーロ、運転手さんはお釣りを持っていないことが多いので硬貨を用意しておきましょう。
僕らは体力ないので往復ともにバス(笑)Navigo(Zone1-5)は全区間で使えます。
バス停は駅を出て正面、ポンピドゥー広場の先にある道路に来ます。サヴォア邸へは駅を出て右方向に進むので、手前の車線のバス停に行きましょう(屋根があるバス停は反対方向に行きます)。
ポワシー駅からサヴォア邸は50番のバスに乗って5駅
バス停からサヴォア邸入口
バス停をおりてから少し、バスの進行方向と同じ方向へ桜並木を通り抜けます。
通りにサヴォア邸入口と書いてた標識が。
こんな案内も出ているので、結構わかりやすいです。
通りからは管理人室が見えますね。ここから私有林の中の道を抜けていく邸宅がサヴォア邸。ちなみにチケットを買うのはサヴォア邸に入ってからです。
さすが贅沢な設計をしてます。入ったところからはまったくサヴォア邸は見えません。
サヴォア邸が見えてくると感動します。
入り口はこの反対側です。ぐるっと回り込むと小さなドアと、入り口の表示が。
ドアを開けるとすぐカウンターがあってチケットを買えます。スタッフのうちの何人かはソルボンヌ大学で建築を学んでいる学生だったりして、英語も大丈夫。日本語の掲示もされています。
入館料
EU外に住んでいても各種の割引があります。学生の人は、国際学生証を発行してから旅行に来るといろいろ優遇されるので、カード代の約2000円はすぐに元が取れると思います。
大人は8ユーロ
割引料金6.5ユーロ(要・証明書)
EU外在住の18~25歳の人
大学関係者
以下の人は無料
18歳未満・欧州在住の25歳以下。失業者・障がい者及び介助者1名・建築や美術を学ぶ学生・報道関係者・ユネスコ会員・ICOM会員
サヴォア邸
場所:82 Rue de Villiers, 78300 Poissy
行き方:パリからRER A線またはJ線とバスで1時間弱
営業日:10:00~18:00(5~8月)10:00~17:00(9~4月)
料金:26歳以上8ユーロ・学生や25歳以下など割引あり
2日以上空いてたらマルセイユのユニテダビタシオン
夏、コルビジェ設計のユニテダビタシオンに宿泊してきました!
パリ市内ならラロッシュ邸
ブローニュの森、エッフェル塔の西側の方にコルビジェの作品、ラロッシュ邸があります。こちらも近代建築5つの要素が詰まっているのでおすすめ。日曜祝日休館。
アート系の本屋などを探すなら
パリ市内は建築・デザインの面白い本屋もたくさんあります。昔ほしかったけど高くて買えなかった本も半額くらいで手に入ったり…もし、たくさん買うなら郵送で送るとお得ですよ。書籍専用便の記事もどうぞ。