サンセバスチャンに来る理由はバル巡り、ですよね。
僕が行った7軒と三ッ星シェフたちがすすめるお店のリストを揃えました。サンセバスチャンへ行く前に行きたいお店のリスト作りは必須です。Gandariasは絶対行ってほしい!
シェフがすすめるバルリスト
旅行に行くとき、まず開く本がWhereChef’sEatという本。
これは、世界の著名シェフがここへ行くために飛行機に乗ってる、とか、出来るならこのお店をやりたいくらい。という基準でおすすめレストランを選んだ本。
僕が買ったのがもう4年前近くになるので、少し情報が古いとこあるけどいまだに大活躍。
彼らのおすすめがこちらの赤色の①~⑮。各番号をタップするとそのお店を推薦しているシェフの名前が見られます。
ちなみにバスク地方の三ツ星レストランArzakのシェフがおすすめしているのは④⑫⑭です。
リストの中で一番推薦している人が多いのはサンセバスチャンからだいぶ遠いですが、アサドール・エチュバリ。なんと世界中のシェフ16人からおすすめされています。
青色の①~⑤はCREAで紹介されていたバル。
旅行に行く前には、自分と好みが合いそうな人の記事を探すのも大事ですよね。僕は今回のバル巡りではこのお店は三ツ星レストランの系列で…とか、○○発祥のお店ともいわれる…みたいな人は避けて選んでました(笑)
旧市街にある赤青の①~⑤、このお店たちはちゃんとしてそうだったので近くにいたら1杯と2品くらい頼んでみたらいいと思います。レストランだとそうはいかないのですけど、バルはそれができるのがいいところ。立ちだから席はあってないようなものだし…
バルの基本ルール
お店に入ってお皿をもらったら、カウンターに並んでるピンチョスをお皿に取りましょう。そして、飲み物と壁に書いてあるメニューを頼みます。
定番はチャコリ(バスクの発砲白ワイン)。高いところから注ぐと香りが立って美味しいとのことでちょっとこぼれるけどだいぶ上から注ぎます。
看板のメニューはリゾット、揚げ物、オムレツなど。これらは頼まれてから作るやつ。あと、テーブルの上にのってないものを食べている人がいたら「あれ食べたい!」なんて頼むのもあり。
お会計はキャッシュオン、で、看板のメニューは出来上がったら商品名で叫ばれて、それを取りに行きます。「リゾット―!カラマリー(イカ)!」みたいな感じ。
初日は詳しい人と言って、作法を学んでから楽しみたいという人には現地の英語話者によるバルホッピングツアーもあるので試してみたらいいかも。
自分たちだけで楽しんでいるよりも、現地の人から「こうして楽しむのよ」って言われた方法が安心ですよね。串揚げのソース二度漬け禁止、みたいなルールがいろいろあるかもしれないし…
バル1日目 おすすめその1:BarSport
初日は絞らず、多めに行くのがいいですよね。僕らの反省点は
- 行く前にアイスをひとつづつ食べちゃった
- 1軒目で重たいものとパンを食べちゃった
- 1軒目を厳選すべきだった
この3つ。胃のキャパと時間が無尽蔵にあるならいいけど、バル文化だからホッピング(一杯だけで次の店へ移動)できるものの、旅行で来てると胃の調子も万全じゃないし、無理できないですもんね。
ウォームアップ:アイス ARGITAN ★★☆☆☆
最初に食べたアイスはイマイチ。僕が食べた牛乳はまぁまぁだったけど、奥さまのストロベリーはつくられた味だったので、このお店は行かなくていいかな。見た目かわいいので待ち合わせとか、作戦会議に使うのがいいかも。
1日目1軒目 José Mari ★★★☆☆ 14.8ユーロ
1軒目、初めてで、とりあえず外の席に人がたくさんいるところが間違いないんじゃない?ということで入ったお店。
おじちゃんがいい人で、英語は出来なかったけどフランス語でバルでのふるまい方を教えてくれました。それがさっき書いたバルの基本ルール。
1軒目にして思ったのは、セビリアよりもサンセバスチャンの方が油っこいかも、と。
1日目2軒目 LANBROA Terraza Bar ★★★☆☆ 17.5ユーロ
歩いてたらきれいなテラスがあったので、一杯飲んでみよう。生ハムも食べたいね!ということで行ったのがこのお店。風景はすごくきれいで、目の前の広場で子供たちが遊んでいるのも美しかった。味はよくわからない…。生ハムもいまいちだったので、料理は推して知るべし、なのかと。
(生ハムは元の肉質はもちろん、厚みと保存状態によって、味の感じ方が変わります。きちんと保湿されてないと味が抜ける。厚すぎると脂が舌の上で溶けないし、噛んでもすぐに味が染み出ない。いい生ハムを出せないお店は、意識高いサービスマン・手入れの行き届いた包丁・生ハムを切る技術のある料理人(もしくはサービスマン)・丁寧な保存・こだわった仕入れ、これらのどれか一つは欠けてます)
1日目3軒目 Borda Berri ★★★☆☆ 11.2ユーロ
あ、ここ評判よいから行ってみよう。と入ったお店は満員。看板メニューのリゾットと豚の耳をいただきました。リゾットは米じゃなくて米の形をしたパスタで作るから早く出せるのかな。
うーん、僕はどちらもほどほど。上がるねー!ヤバいねー!って感じではありません。
リゾットはけっこうにんにくが効いてて、ワインが進む系。豚の耳は煮込んだ肉を表面カリッと焼きあげるタイプ。ちょっとゼラチン質というか、脂肪を感じるところが多くて胃もたれしそうに‥これが寄る年波ってやつですね(笑)
1日目4軒目 Bar Sport ★★★★★ 10ユーロ
初日のベストはここ。バル・スポルト。ただのスポーツバーと侮ってはいけない。シェフと経営者がとても優秀なんだと思う。そう、バルというモデルはレシピ考案と提供スタイル、お店の雰囲気作りがキーポイント。
ここは並んでいるものを焼いてから出したり、ひと手間かけてすごく美味しく提供している。でも仕上げまではあっという間。素晴らしきバル!
お店で働く人たちの雰囲気も素敵だし、日本語メニューがあり、食材名や個数の日本語は分かってくれる。そしてなぜか他のお客さんにも「アリガトウ」「マタキテネ」と日本語を使ってる(笑)
イカのフリット美味しかったし、明日も絶対ここに来ようと決めました。
ウニのクリームは緩いプリンみたいな仕上がり。温めてから出してくれます。
口直し:アイス Gelateria Boulevard ★★★★☆ 2つで4ユーロ
夜遅く10時半くらいになると、道行く人たちがみんな手に持っているのがアイスクリーム。多くの人の手元にあった銘柄がこのアイス屋さん。
お店に入ると、いろんな種類のアイスが選べる。というか、種類ありすぎて選べないくらい(笑)チョコだけでもオレオ入りとか、いろんなバージョンがあります。3種類食べたけど全部おいしかった。
パリなど、ヨーロッパの大きな街でいうところのAmorino的存在なのかな。ちゃんと美味しいし、街中に多い。
バル2日目 おすすめその②:Gandarias
二日めの昼ご飯は別記事で書いた最高の肉レストラン「カーサ・フリアン」その後展望台へ行ってから部屋で一休みして出かけた二日目の夜、最高の一軒に出会いました。
2日目1軒目 La Cepa ★★★★☆ 22.4ユーロ
昨日は旧市街の東側を攻めたので、2日目は西側へ行こうと向かう途中に、ここは美味しそうじゃない?と入ったお店は生ハムをたくさん吊っているお店。生ハムをたくさん吊れるのは、それだけの生ハムを管理できるってことだし、在庫を持つ余裕があるってこと。
美味しいに違いない、と話しながら入ったらやっぱり美味しい。昨日食べた生ハムは何だったんだろうと思うくらい美味しい。そうそう、これが食べたかったんだよね。
2日目2軒目 Gandarias ★★★★★ 4杯とお腹いっぱいで30.4ユーロ
生ハムを食べ終えてお店を出たら、すごく美味しそうな匂いがするお店を発見。外から見た感じで間違いない雰囲気。生ハム吊ってあるし、小ぎれいなんだけどお店の個性はあって、入ってから知ったけど奥がレストラン、手前がバルという構成。
これが一番大事なポイント。
料理の素材はレストランの食材、提供スピードは速くするためにシンプルにしているけど、ソースや味付けはレストランクオリティ。
このイカを焼いたピンチョも、青唐辛子の酢漬けも、どれもほんとにおいしかったな。
この後スポルトへ戻る予定だったけど、ここのお店が一番いいんじゃないかと思いプラン変更。ワインも二杯目へ、料理も2ターン目へ。
海老は上にのっている野菜をみじん切りにしたソースが格別です。ソースというのかな、タルタルというのかな。酸味と野菜のフレッシュ感のバランスが絶妙。
このマッシュルームのピンチョはチャンピニオンという名で、石原さとみさんも食べたとか、のちほどGoogleマップで知りました(笑)
ちなみにこちらはウナギの稚魚(アングラス)を模したすり身「La Gula del Norte / ラ・グーラ・デル・ノルテ」を使ったピンチョス。
かつてはサンセバスチャンの名物だったウナギの稚魚は珍しくなり、今ではめったに入らない超高級食材だそう。ぱっと見た感じでは偽物ってわかりませんよね。オリジナル見たことないもん(笑)
あとからシェフおすすめ本のレストランリストに入っていたお店ってことに気づきました(笑)Akelaŕeという三ッ星レストランのシェフおすすめのお店です。イカを食うべし!とのこと。
口直し:アイス Gelateria Boulevard ★★★★☆ 1つで2ユーロ
チーズケーキを食べる前に奥さまが眠たくなったので帰宅。口さみしかったのでチーズケーキ風のジェラートを食べながら帰りました。今日も美味しい!
3日目の朝と昼 おすすめその③:Bodega Donostiarra
最終日の朝は僕だけ起床して朝ごはんへ。今日フランスへ戻っちゃうのでいろいろ歩きたかったのですがあいにくの天気。宿からほど近いところで見つけたかわいいカフェへ向かいました。
3日目朝食 ★★★★★ La Hora del Cafe たしか6ユーロくらい
カフェ探しは外見と、パンの並び方、輝き方がポイントです。(下調べはGoogleマップでやりましょう)このお店は見た目がすごくナチュラルだし、置いている食材がとても美味しそう。
ステンレスとか、打ちっぱなしコンクリートのイケてる雰囲気のお店だと、当たりはずれが激しいし、合わない場合もあるので自然な雰囲気のお店を好んで行くかな。このお店は大正解。
美味しそうなスペインオムレツ(ジャガイモ入りのオムレツ)はふんわりの見た目。思わず頼んだら、うん、やっぱり美味しい。そしてシナモンロールも。
朝10時前だったかな、お店に入ったのは。月曜の朝ということもあり、けっこう静かな雰囲気の中、お店のスタッフ(女性が二人)は着々と開店準備を進めつつ、ときどきくるお客さんのコーヒーを淹れて、朝のいい雰囲気をしばし味わいます。
早い休憩なのか、遅い出勤なのか、急に賑わい始めたのが11時前から。素敵なお店が賑わうのは嬉しいですが、居づらくなったので退散。
3日目昼バル Bodega Donostiarra ★★★★★ たっぷり食べて23.6ユーロ
いよいよ最後の食事。旧市街まで行ってTGVに乗り遅れるとか悲劇過ぎるので、街中で評判の高いお店へ。旧市街からの帰り道に見て気になってたところ。シェフおすすめの店リストでムガリッツという名店のシェフがすすめてました。
このお店もすごく良かったなぁ…ここのお店に来て初めて知ったのがPimientos de Padrón/ピミエントスデパドロンという青唐辛子の素揚げは4月には食べられないということ…季節は5月から10月で、「それ以外の時期に間違って食べるとめっちゃ辛いから気をつけてね!」とのこと(笑)
気を取り直してフレッシュなトマト、赤ピーマンのマリネをいただきます。この地方のトマトはミディサイズで歯ごたえがあり酸味もはっきりしてて好きです。
赤ピーマンのマリネはカーサフリアンでも食べたけど、まぁ美味しいんですよね、すごく。難しくないから家でもやろうかな…煙だけ気になりますよね。にんにくがはっきり主張してくるのも素敵。
タコのガリシア風を頼んだものの、ゆでだこのマリネがあったみたいで、そちらも気になります。
オムレツがお店の看板メニューの一つらしいです。隣の常連っぽい地元のOLさんがオムレツとワインとパンでランチにしてました。1枚1枚焼き上げるタイプで、中はトロリとしていてなんとも満足。僕はここでもチャコリを2杯。奥さまはシードルとクララビールを。
お店に入ったのが12時くらいでしたが、1時くらいになるとだいぶ賑わってきます。お店は何と朝9時半から0時までというノンストップ営業なので、サンセバスチャン着いたらここから始めるのもいいですね。
チェックインしたら、ボデガへ向かい、飲みながら地図を広げてどのお店へ行くかを話すなんて楽しそう。このままここで飲んでたらいいんじゃない?ってなるのに注意ですが(笑)
と、いうことで無事にお昼ご飯を終えて、TGVの駅へ向かいました。道中少しアクシデントはありましたが、無事に帰宅したパリの自宅で書いております。
2泊3日のサンセバスチャンまとめはこちらの記事、最高のステーキ「カーサ・フリアン」はこちらへどうぞ。