ミシュラン2019年版では日本人シェフが増えましたね。今日は付き合って7周年ということでその中から一軒を予約しました。
選んだお店は「ACCENTS table Bourse*」日本人の杉山あゆみさんがオーナーシェフパティシエールのレストランです。
*Accentsはアクセント、料理に人や素材の出自を感じるアクセントあるものにしたいという思いから、Bourse/ブルズはお店の近くにある証券取引所のことです
ミシュラン日本人シェフのまとめにもリンクを貼りましたがOvniのインタビューもとても素敵です。
Accentsでは、大きな窓付きの客席が見えるキッチンにこだわった。「食べるときの、わくわくしたり、おどろいたり、しあわせそうな顔が見たいから。幼稚園のころからの夢、パティシエになった理由です」
まだまだその道のりは遠いですが、どんなことでも上を目指す姿勢は大事ですよね。わたしも「よし、行けるところまで、行ってやろう!」という気持ちは同じです。
(ちなみに静岡出身 Ovniより 2018/07)
雰囲気
お店はエントランスに折り鶴があったりして、かわいらしく、テーブルにクロスがないのもいまっぽくて素敵です。
贅沢しに行くよりも、美味しいものを食べに行くって感じでしょうか。予約を一番早い時間にしたので、全くお客さんがいませんでしたが帰るころには満席になってるはず。
事前に杉山さんのインタビューを読んでいったのでワクワクです。
料理はおまかせコース
料理はおまかせコースでお皿の数が選べます。5皿で62 €・ベジタリアンコース6皿で68 €・6皿で73 €。バレンタインは100 €くらいのコースになると思います。
今日は6皿のコースで満喫予定!僕はワインペアリングを、奥さまはとりあえずシャンパーニュから。
アミューズ 根セロリのピュレ・焦がしバターとコーヒークランブル
ゆっくり火入れして、滑らかに仕立てられた根セロリのピュレ。
軽く焦がしたバターを合わせているピュレと苦みのあるコーヒーのクランブル、そして苦みと爽やかさがあるハーブ。冬の季節のありがたさ、温かさを感じられるスタートです。
前菜一つ目 鯖のミキュイ・オイスターリーブ・ザクロのソース
軽く皮目を炙った鯖と、オイスターリーブ、ザクロのソースはすごくすっきり。鯖に脂がのっている時期だから、酸味のあるフルーツを合わせているのでしょうか。シェフは男性ですが、少し女性っぽい印象も受けます。
緑の葉がオイスターリーブというハーブで、本当に牡蠣の味がするのです。なんとも不思議なのですが、これは一度食べていただかないとわからないかも。合わせていただいたのはアルザスのピノグリ。すっきり、酸味はっきりなので鯖とぴったりです。
燻製バターとカンパーニュ
この燻製バターが最初の驚き!最近バターにハマっている奥さまが怒涛の勢いでパンを食べ始めました(笑)アイスのようにくりぬかれているのもすごくかわいいです。
前菜二つ目 ホタテガイのバーベキューとパネのピュレ・ラルドコロナータ
軽く燻されたようなホタテ貝とラルド・ディ・コロナータ(豚の背脂の生ハム)。そしてパネのピュレ、あとりんごのコンポートかな、上にのっているのはクレソンの葉ですね。パネは日本語でハースニップとも呼ばれる白っぽいニンジンの形をした野菜です。
カブと人参とごぼうを合わせたような味というのでしょうか、ピュレにして付け合わせに使われることが多い食材です。絶妙にこってりとしたピュレとホタテ・ラルドのコンビはもちろん
少し酸味のあるりんごのコンポートがいい息抜きでした。あわせていただいたのはロワールのミュスカデ。
魚料理 鱒・黒米・アメリケーヌソースとレモン風味のジュドポワソン
鱒の調理法が謎なのですが、非常にふっくらした状態に仕上がっていておいしい!(軽くソテーしてからオーブンで蒸してるのかも…)黒米のリゾットと、海老の味わいたっぷりのアメリケーヌソース、そして魚のアラで取った出汁を煮詰めたジュに柑橘の果汁を加えてさっぱりしながらコクがあるソースはポン酢バターみたいと表現したらよいかな…
美味しかったです、とっても。あわせていただいたのがブルゴーニュ・マコンのフレッシュなシャルドネ。
肉料理 アニョーのコンフィ・いろいろな茸とカリッとしたチップス
真ん中にあるのが、仔羊モモ肉のコンフィをほぐして網脂のようなもので包んだ肉団子。少しタイムの風味も効いています。茸がやっぱり美味しいですよね…シャントレルというジロールだけの仲間や、ピエドムートンのソテーは最高。一緒にいただいたのがメルローだったかな…ここはうろ覚えです、すみません。
デザート一つ目 ライチとフランボワーズ・柚子のジュレ
この盛り付け、すごく詩的ですよね…上から見ると抽象画みたい。
ライチとフランボワーズの組み合わせ自体はエルメさんがやってますが、杉山さんがすごかったのは、どちらも生のフルーツをきれいに組み合わせていたところ。綿菓子の下にアロエヨーグルトみたいなソースがいて、うまい事つながるんですよね。
このつなげるという作業が、お皿を完成させるときに大切で難しいこと。本当にきれいにつながっていて感動しました。
奥さまが「初めてオランジュリーに行ったときみたいな感動!高まるー!」と。綿菓子もかわいかった。このときは少し複雑なシードルを合わせていただきました。
デザート二つ目 カルダモン・ホワイトチョコ・花梨・栗のクリーム
エキゾチックな少女のモンブランと呼びたくなる一皿。
カルダモンの香りを出したクリームとモンブランに使われるようなしっかりした栗のクリーム。その間に花梨の酸味とホワイトチョコ。不思議となんかセクシーでかわいらしいモンブランでした。ここではソーテルヌをいただきました。
記念日プレート!
プレートめっちゃ可愛い!シンプルだけど、本当に素敵。マカロンがこれまで食べたマカロンの中で一番フレッシュでした。挟みたて、焼き立てみたいな感じ!間に挟まれたクリームもフレッシュで美味しかったなぁ…
コーヒーと合わせるお茶菓子はピスタチオのシフォンケーキ
出てきた瞬間、触っちゃいました(笑)この国にシフォンケーキって存在しておらず、美味しいシフォンケーキなんてまず出会えるものではありません。添えられてきた生クリームもフレッシュな牛乳の味がして美味しかったなぁ…
エスプレッソが入っている器も信楽焼っぽい感じでかわいいですよね。テーブルコーディネートや器の選び方がすっごい素敵。外は雨で寒い一日でしたが、すごく幸せな気分で帰れました。
ありがとうございます。(帰る頃にはもちろん満席でした)
おすすめ 驚きのあるデザート2つの6皿コース
料理ももちろん美味しいのですが、デザートが最高でした。杉山さんは、前のお店でデザートを作っているときにこのお店の出資の話をもらって「パティスリーでも、サロンドテ(ティールーム)でも何でも好きな店をどうぞ」と言われた中で、やっぱりレストランのデザートが作りたい、と、このお店を出したそう。
料理を楽しんで、最後に思い出に残る、驚くようなデザート、というコンセプト。本当に表現されていて素敵です。たしか、6皿にするとデザートが二つなので、そちらの方がより楽しいです。
お会計 コースとワインペアリングで 232 €
決して安いお店ではないけれど、パリでいいご飯を食べたい、そして私はデザートが大好き!という人なら一緒に行きたいお店。お店を出るときの幸福感は保証します。
杉山さんにお見送りいただいたけど、やっぱりかわいくて爽やかで素敵でした。デザートに人柄が出ていたなぁ。ちなみにシフォンケーキと燻製バターはお持ち帰り可能。シフォンケーキが19€、燻製バターは125gで3 €です。
ACCENTS table Bourse
ランチコース39・52€ ディナー62 €・68 €・73 €
火~土12:00―14:00 19:00-22:00 日月休み 電話:01 40 39 92 88
24 rue Feydeau75002 Paris Googleマップ 3番線 Bourse駅 徒歩2分
2019年のミシュラン日本人シェフリスト
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