フランスの旬 イチゴの季節がやってきた

豆知識

フランスのイチゴが美味しくない?いやいや、美味しいイチゴに出会えてないのですね、今日は美味しいイチゴを教えちゃいましょう。

スポンサーリンク

見やすいよう記事を折り畳んでいます。見出しに✚があるときはクリックしてください

フランスのイチゴの季節

年中イチゴが買えるのは日本とスペインだけじゃないでしょうか。フランスで、美味しいイチゴが出てくるのは4月から。それまで店頭に並んでいるイチゴはたいていスペイン産、あまりおいしくありません。

スポンサーリンク

イチゴの原産地

イチゴって日本にむかしからあるような気がしますよね。でもそんなことはないのです、起源は南米にあるそうです

石器時代から食べていたことが証明されているそうですが、当時は甘いイチゴではなかったそう。いまのように甘いイチゴは18世紀のオランダ生まれ。南アメリカ産のチリ種と北アメリカ産のバージニア種をかけ合わせてできたそう。(農林水産省・子供相談室より)

そうそう、イチゴってバラ科なんです。ときどきバラ科アレルギーの人がいて、なしやリンゴ・サクランボを食べるとのどがイガイガする、という人はバラ科の植物に気をつけた方がいいですよ。昔のお客さんにもそんな人がいて、「バラの人」と呼んでました(笑)

日本でのイチゴの歴史

国立博物館 藍地いちご文様更紗裂 江戸時代 https://wagokorolabo.wordpress.com/
江戸時代末期

オランダよりイチゴが輸入されます。しかし、赤い色が血を連想させる、などとして不評だったため
観賞用程度にしか普及しませんでした、侍の世ですね。

19世紀末

フランスから取り寄せた種の品種を改良して新宿御苑で栽培が始まりました。当初は皇室向けだったため、一般の人は口にしなかったそう。

じつは皇居・御苑ではいろいろな植物が栽培されていて、日本固有の品種・虫などが見つかることもあるんですよね。吹上御苑で新種の二輪草が発見!なんてこともありました。

1950年代

ビニールハウスでの栽培が確立し、収穫量が安定します。ようやく価格も手ごろになり庶民が口にできるように。これが今の日本で食べられているイチゴです。

スポンサーリンク

イチゴの旬はいつ?

日本とフランスではイチゴの旬が違います。日本ではクリスマスケーキ需要などもあり、どんどん収穫が早くなって行ってる気もしますね…。

日本の旬

日本ではイチゴは12月から5月くらいまで。12月ごろからずっと同じ株から収穫するため、ハウスものはだんだんと味が落ちできます。あまおうは1-3月くらいが美味しいですよね。僕は露地栽培のとちおとめが好きなので3月くらいの時期を待ってます。

フランスの旬

フランスでは3~6月が旬です。それ以外の時期もスペイン産のものが流通していますが味が薄く、硬いものが多いです。見た目は真っ赤で美味しそうなのですが、要注意。

フランスで買える美味しいイチゴの種類

ガリゲット Garigette

ガリゲットは4月半ばから出てきます。少し酸味があって、ようやく味があるイチゴに出会えたと感動。スペイン産のイチゴより少し高いですが、美味しいイチゴを食べたかったら迷わずこちらを。

1箱200g弱で4~6€くらい。

マラデボワ Mara de Bois

5月半ばくらいから出始めるこの品種。野イチゴ、という意味だそう。実はこのイチゴが一番おいしいです。

基本的に形は不ぞろいですが、甘みも酸味もしっかりしていてジューシーで、この国は果物も素晴らしい、と思い直します(笑)5・6月にパリに来る人は必ず食べてほしいです。

こちらも1箱200g弱で4~6€くらい。このイチゴを食べずに「フランスのイチゴいまいち」とかいう人は鏡の中の人に向かって「バカヤロー」と言いましょう(笑)

スペイン産イチゴ Fraise d’Espagne

砂糖をたくさん足してコンフィチュールにするときなどはこのイチゴでもいいかも知れません。また、酸味があって硬いのでマグロのカルパッチョなどと合わせて料理にする人も。

トマトとミントとオリーブオイルでサラダにする人もいますね。1箱1kgで3~7€くらい。

イチゴのケーキ

苺が出てくると、イチゴのケーキも始まります。MORIYOSHIDAさんは4月の半ばにならないとイチゴのケーキやってくれないんですよね…

フリジエ / Fraisier Gerard Mulot

https://www.flickr.com/photos/33897054@N06/3504799641

フランスでイチゴのケーキといえばこちら。日本のショートケーキとは異なりバタークリームとカスタードクリームを合わせたクリームを使っています。サンジェルマンのGerard Mulotが有名。

イチゴのタルト / Tarte au Fraise Hugo et Victor

http://lafeechantilly.canalblog.com/

季節になると街角のパン屋でも買えます。タルト生地にカスタードクリーム・イチゴをのせた
シンプルなものが多いです。

こちらは美しいタルトの代名詞、ユーゴエヴィクトールのタルトフレーズ。

Tartelettes Fraise / イチゴのタルト La Pâtisserie du Meurice par Cédric Grolet

世界一の男前パティシエ、セドリックグロレさんのイチゴケーキは定番、フルーツの形をかたどったタルトフレーズ。さすがです。ヘタは天然のものを使ってます。

アフタヌーンティーはすごくぜいたくですが、その価値があるのでぜひ。

Rouler au Fraise / 苺のロールケーキ MORIYOSHIDA

僕たちが一番楽しみにしているのはMORIYOSHIDAさんのロールケーキ。春が来たら電話するくらいです(笑)2019年は4月10日解禁だそう!

日本らしいショートケーキ Boulangerie Aki

奥さまは日本らしいショートケーキがお好き。日本のケーキやパンが食べたいときにはオペラのブランジュリーアキか15区のコメルスにあるborissouがおすすめです。

最後に

日本を離れて、食べ物の旬を考えることが増えます。日本では、いつも同じ食材がスーパーに並んで便利なのですがフランスの不便さも、いいところ。

と、いうよりもその不便さを当たり前とするかですね。旬ではないものは売っていないし、夜遅くに買い物ができなくても、それが当たり前。

まぁ、いいか、しょうがないと考えることが増えました(笑)

そうそう、食べログさんのページが非常に日本的なマニア心に満ちていたので興味あればぜひご一読を。あの人気店の苺スイーツはどの銘柄?苺断面図マトリックス!

日本とフランスの野菜の違い、調理法のコツはこちら

パリで食べたケーキ・そしておすすめパティスリーのリストはこちら