8月バカンス真っただ中、奥さまの友達と三人でランチに行ってきました。
このお店、渡仏前から評判を聞いていたお店で、
しゃがれた声のシェフの料理がいつも美味しいのです。
しかも、8月にバカンスとらずに営業されるようで
パリのレストラン難民にとっての救世主。
お店は8月ど真ん中の日曜日にもかかわらず、とても賑わっていました。
紀川シェフが作るデザートのスフレは食べた方がいい
通常、フランスのレストランではデザートはメインを食べ終えてから注文します。
でも時々、最初に頼まないとだめな焼き上げメニューがあるんです。
このお店のパッションフルーツのスフレはまさにそれ。
2人で行ったらどちらか必ず頼んでほしいです。
あまりにデザート美味しかったから先走りましたが、アミューズからいきましょう。
今日は前菜・メイン・デザートで47€のコースをいただきます。
アミューズ ムール貝のフリットとブランダード
カリッと揚げたムール貝と、タラのブランダードが
ムール貝のポタージュに浮いています。
秋めいてきた日にちょうどいいクリーミーさで
その先の料理への期待が高まります。
前菜 フォアグラのテリーヌ ミラヴェルのソース 自家製ブリオッシュ
通常、前菜にフォアグラが含まれるときsupplement(追加)で5€くらいかかるんですが
通常の価格で選んでいいなんて!とうれしいです(笑)
少し、鴨の肉の部分も入っているのか
繊維質があってさっぱりしているのが心地よいです。
ミラヴェルというのはこの時期しかない小さなスモモみたいなフルーツ。
綺麗な酸味があっておいしいです。
ブリオッシュもまさかの自家製。
とても贅沢なお皿でした。
メイン 鳩のロースト ジロール茸添え
鳩もまた素晴らしかったです。
鳩の火入れってとても難しいんです。
ムネ肉の厚みがないからパサパサになりやすい。
温かいくらいの温度、時にはぬるい状態で出てくることがほとんどです。
丸ごと火入れをして、そのまま寝かせて
最期に少しだけ温めるのが多くのお店の温かい鳩。
でも、ここはしっかり熱いんです。
最後に丸ごと焼き上げて、さばいてすぐ出してくれたのでしょう。
シェフからおすすめいただいたブルゴーニュコートドニュイの
ピノノワールとぴったり。
この表面が軽く焦げるくらいの状態だから
ワインと綱引きというか、飲んだら鳩、鳩食べてワイン、というループが止まりません。
ジロール茸も美味しいし、金柑もいいアクセント。
この価格でこのお皿のぜいたくさはありえません。
デザート パッションのスフレ バニラアイスクリーム
このふっくら持ち上がったスフレ生地。
圧倒的正義感!
スフレもまた、難しいんですよね。
ここ、シェフがほぼ一人で調理していて仕事が多いだろうに
タイミング合わせて焼くスフレをやるなんて、さすがです。
パッションフルーツの酸味がある熱々のスフレケーキに
キャラメルソースが交わり、冷たい自家製のバニラアイスと絡む!
なんてセクシー。
最後にエスプレッソについてきたミニャルディーズも美味しくて
また近いうちに!との思いを強く家に帰りました。
あの彼はいずこへ
このお店の名物ソムリエのイケメンがいなくなったのだけ残念。
渡仏後すぐに来たとき、「日本語で大丈夫ですよ」って言われて本当に嬉しかった。
すごくワインが好きで、愛があるサービスマンだった彼。
彼の不在はこのお店にとって本当に痛いことでしょう。
「飲食はもういい、別の職業をやる!」と言って辞めた彼ですが
ふとしたご縁で”L’Archeste”の伊藤シェフと出会い、こちらのシェフソムリエに。
もし彼に会いたくなったらぜひ”L’Archeste”へ。
このお店もとても素晴らしいです。
伊藤シェフの強い信念をいただけるお店。
Restaurant Kigawa
営業時間 12:30-13:30(水-日)
19:30-21:30(火-日)
住所 186 Rue du Château, 75014 Paris
電話 01 43 35 31 61
予約 la fourchette