え?いまボンマルシェで買い物終わって夜ごはんのお店を探してる?そしたらちょっと歩いてルーブル美術館近くのレストラン・ルーメンがいいよ。
パリ来てフレンチ食べ疲れて、でも割高な和食は食べたくない、中華も重いし、パリのイタリアンはまずいと聞くので何食べたらいいか悩む、すべての悩みを解決するのがルーメン。
パリにあるイタリアンは美味しくない説
そう、わが奥さまも言ってるけどパリには美味しいイタリアンが少ないかも。フランス人って結構茹ですぎるくらいが美味しい、塩も強いなってくらいがお酒も進んでちょうどいい、という感覚なのでピザならともかく、美味しいパスタがなかなかないんだよね。
日本だったら門前仲町のパッソアパッソ(上の写真!)とか、銀座のラベットラみたいに美味しいお店がたくさんあるけど、これまでの3年間二人でリピートしたイタリアンは檜垣シェフのランコニュ*とアンバリッド目の前のカフェロマンティカ**だけ。
*ランコニュの檜垣シェフは日本人最高峰パリのミシュラン二つ星Passage53の佐藤シェフの二番手を長く勤めていたシェフ。フレンチの細かい技法を活かしたイタリアンがすごく美味しい
**カフェロマンティカはアンバリッドナポレオン廟の目の前にあるイタリアン。大きなパルメザンチーズの中でクリームを絡めるパスタが名物・ウェブ予約で20%オフ
このレストランルーメンの杉浦シェフもまた、星付きフレンチの二番手*をやってた日本人シェフなので、美味しそうでしょ?
*杉浦シェフは吉武シェフ時代のSolaで二番手をやってたシェフ
ある夜のレストラン・ルーメン
この日は突発的にお店へ。
La Fourchetteにも対応しているので、お店の予約は簡単だし、フランス語・英語が話せれば電話でも予約可能。お昼が少し遅くて、そのあとケーキ食べちゃってたのでおなかペコペコじゃなくて申し訳なかったな…そしてもっと食べたかったし。
アミューズ タラとマッシュポテト・トマトのコンソメ
タラとじゃがいも・牛乳というのはフレンチの定番にもよくある組み合わせ。ブランダードが有名。日本でも結構見かける組み合わせじゃないかな。
このアミューズはその組み合わせに透明なトマトのコンソメゼリーがのってる。すごくすっきりしてるので、ブランダードのもったり感が晴れるような美味しさ。このひと口でもう、「だんな、なんで今まで連れてこなかったんや?」って言われたもんね(笑)
*トマトって一晩、重しも置かずにペーパーフィルター(またはキッチンペーパー)で濾すと透明で済んだ味の果汁が取れるの。ル・マンジュ・トゥー谷さんのスペシャリテとしても知られるよね
明太子バターのタヤリン
タヤリンは太めスパゲッティくらいの蕎麦状の四角い麺。もちろん自家製の生めんなのでコシも強く、歯ごたえもしっかり。この日は若いネギとカイワレも一緒にバターのソースと明太子・そして仕上げに乗っている海苔。
まぁ、なんでわざわざパリに来て明太パスタ、と思うよね。でも、美味しいんだなぁ…
明太子なくても十分なくらいクリーミーに乳化したソースだし、フランスに来て数年たつと、明太子が金のように神々しいの。日本から来てたら別の頼んだらいいと思うよ(笑)
アクアパッツァ魚はスズキ・仕上げにカラスミを載せて
実はマルセイユへ行ったときにブイヤベースを食べられず、何度か行ったイタリアでもアクアパッツァ食べてないのです。きれいに焼いたスズキとアサリ、そしてスティックセニョール(細いブロッコリ)と芽キャベツ、仕上げに削り落されたカラスミ。
ワイルドな本場のアクアパッツァとは違うけど、本当に美味しい一皿。出汁が濃厚で魚や甲殻類から取った出汁を煮詰めていい感じに仕上げているんだろうなぁ、この手間がさすが、星つきレストランにいたシェフ。
これまたおいしいフォッカッチャで何度もスカルペッタ*しちゃうほど。
*残ったソースをパンで拭うという意味のイタリア語。フランスのレストランでソースはぬぐうなと言われるけど、このお店の雰囲気と美味しさならやむを得ない(笑)
リコッタチーズと青リンゴのヴァシュラン
ヴァシュラン*って初めて聞いたデザート。メレンゲ生地の中にリコッタチーズのアイスクリームが入っていて、底にはグラニースミスという青リンゴの角切りが。カリカリした生地と、コク・甘み・食感…いろんなバランスが最高。
口に入るもののバランスで、毎回楽しみ方が変わるエンターテインメント。
*メレンゲなどで作った型にアイスや生クリームを入れてフルーツで飾ったデザート。名前はスイス・コンテエリアのチーズ、松皮の器に入れて熟成させる牛乳のチーズ”Vacherin”に由来します。有名なのがモン・ドール。今は冷蔵・冷凍の技術もあるけど、当時は冷たいものが器の中で溶けていくさまが、木の器の中の柔らかいチーズを連想させたのでしょうね。
プティフリュイ 抹茶のティラミスと紅いマカロン
お茶菓子って、せいぜいマカロンとフィナンシェ。
でも抹茶のティラミスには黒ゴマのチュイルが入ってて、少し和風だけどしっかり美味しいし、フランボワーズなどの赤いフルーツのマカロンも美味しかった。見た目もかわいいし!最後まで満足。
メニューとお会計
アラカルトにはカツオのたたきや尾崎牛のような和風もあれば、オマールのメダイヨンみたいなザ・ヨーロッパな料理も。
パスタにはタイとカラスミのパスタ・アニョーのミートソースと太麺の手打ちパスタPici / ピチなどが選べるよ。お肉はなんだったかな、お魚が僕らが頼んだアクアパッツァ。
困ったらお店の人に相談したらよいと思う。ホールの人は英語が話せます*。
*フランス語・英語も話せないため、シェフを呼んで日本語で説明してもらおうとする人がいますが、料理人がキッチンを離れるとすべてのテーブルの料理が止まるのでやめてください。Google翻訳などで頑張りましょう。
前菜・パスタ・メイン・デザートを選んだセットだと65ユーロ、お腹が空いていたらぜひデギュスタシオン(おまかせコース)を選ぶと楽しい。アミューズに前菜二つ、パスタ二つでメイン、そしてデザート!
パスタ・メイン・デザート一つずつ、ワイン二杯とエスプレッソ二杯で100ユーロ。
十分に満足した夜だったなぁ…すっごくいいのでパリで5回外食するなら、そのうちの一階に混ぜてもらえると胃が休まって、しかも楽しくっていい時間になるかと思うよ。
ある日の料理たち 2018/2
これがメダイヨン↑
イカのタリアテッレとカラスミ
ウニのパスタ、ピスタチオと柚子スパゲッティ
鴨のラヴィオリ、黒トリュフ、ごぼうのソース
ビゴール豚のグリルと金柑・バターナッツカボチャのピュレ
タルトタタン
ちょっと歩いていくのも素敵
ぼくらはボンマルシェから移動したけど、けっこうこのルートおすすめ。歩いて20分ちょっとですごくきれいな景色が楽しめる。
ポンロワイヤル橋はオルセー美術館とセーヌ川の夕日をとるのに最高の場所。
そしてチュルリー公園では噴水や、その先に見える凱旋門なども楽しめる。
そこからパレロワイヤル前の広場を通り抜けたらもうすぐレストランルーメン。
オペラ座まで歩いてもすぐだし、すごく便利な場所だよ。
Restaurant Lumen レストラン・ルーメン 1区
火~土 12:00~14:30 19:15~22:30 日月休み
01 44 50 77 07
10 Passage Saint-Roch, 75001 Paris
Pyramides⑦⑭ 徒歩2分 Opéra③⑦⑧ 徒歩9分