フランスで、新年になるとパン屋さん・ケーキ屋さんに並ぶガレット・デ・ロワ。新年のエピファニーを祝うお菓子です。今日は少し由来などをお伝えしましょう。
ガレットデロワの楽しみ方
パリのお店では一月になるとすぐにガレット・デ・ロワが並び始めます。そして、3日から5日頃にガレット・デ・ロワコンクールの入賞店が発表され、入賞したお店は大賑わいに。だいだい20日ごろまで売っているでしょうか‥
カットして売っているものもあるので、3軒くらい買いまわって好みのものを探すのも楽しいです。もちろん、ホールで買って家で誰にフェーヴが出るか、という本来の食べ方もいいですね。
いつ食べる?エピファニー/Epiphanyって?
ガレット・デ・ロワは毎年1月6日のエピファニーの日に食べるもの。エピファニーは漢字で書くと公現祭、公に現れたと書きます。生まれたのは12月25日ですが、「この子が神の子だ!」と東方の三賢人によって見いだされた日をエピファニーと呼びます。ちなみに地域によってはクリスマスではなくエピファニーにキリストの西端を祝う層。たとえば、ロシア正教会は今もエピファニーにキリストの降誕を祝うし、イタリアでもクリスマスプレゼントを6日に渡す地方も多いそう。
地方によって違う名前「ガレットデロワ?それともガトーデロワ?」
エピファニーはフランス全土でお祝いするキリスト教の行事ですが食べるケーキは南フランスと北フランスで違います。
フランス北部はガレット・デ・ロワ・オ・ダマンド
フランス北部のガレット・デ・ロワが日本でも作られているガレット・デ・ロワ。パリ市内で手に入るガレット・デ・ロワも、北部のものが多いです。
ガレット・デ・ロワ・オ・ダマンドはパイ生地にアーモンドクリームを入れたタイプのもの。クリームとパイ生地のバランスとともに、表面の仕上げの美しさが問われます。
高級店はまた、趣向を凝らしてきます。たとえば、ピエール・エルメさんはこちら。
2018年世界一パティシエに選ばれたホテルムーリスのセドリック・グロレさんはこちら。
彼らはガレットコンクールへ出品しないので、一番おいしいガレットが誰のか、というのは難しいところです。
フランス南部はガトー・デ・ロワ(ブリオッシュ・デ・ロワ)
フランス南部ではブリオッシュ生地にドライフルーツを載せたもの。パリのパン屋さんでも売っていますが(僕はサンシャルルのパン屋で買いました)こちらはどちらかというと素朴で、ちょっと甘いパンという感じ。
フェーブはどちらにも入っています。
ガレット・デ・ロワの楽しみ方「フェーブが当たる?」
先ほど書いていたフェーブ、とはフランス語の「豆:Feve」。古くは乾燥した豆を入れていたことに由来します。現在は陶器の人形などが入っています。フェーブの種類はお店によって様々。
フェーブが当たった人は?
フェーブが当たった人は一日王様になれます。お店で働いているときも一度食べたことがあり、けっこう盛り上がりました。当たったので、ガレット・デ・ロワを買うとついてくる王冠をかぶって王様気分(笑)
新年のちょっとした盛り上がりです。4人用だと1つ、8人用だと二つ入れているお店が多いです。
ガレットデロワの柄の意味
クリエイティブ系のガレットには柄がありませんが本来のガレット・デ・ロワの柄は4パターン。それぞれに意味があります。
a 小麦 le ble / le epi
小麦は豊穣の象徴。豊かさを祈願します
b 太陽 le soleil
太陽は生命力の象徴。健康を祈願しています。
c ひまわり le tournesol
ひまわりは日の光を浴びる、ということで栄光の象徴。名誉といったところでしょうか。
d ローリエ le laurier
古代ローマ帝国で勝者に授けられる冠、ローリエは勝利を祈願します。
ガレット・デ・ロワを食べたら一年が始まる
フランスは新年のお休みは1日だけ。2日から通常通り働くはず、ですがまだパリでは働いている人が少ない様子(笑)ガレット・デ・ロワを食べた翌週から、ようやく本番がくるようです。
2020年のガレットデロワコンクールの結果はこちらに、2019年までの結果もどうぞ。